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実は知らなかった!?知ってて良かったアイシングの真実
こんにちはオークス鍼灸整骨院です!
前回は成長期のお子さんがいらっしゃる保護者の方に向けた
についてお届けいたしました。
今回もスポーツをしているお子さんの保護者の皆様に向けた内容となっております(*^^*)
ケガ=アイシングは本当に正しいのか?
そのあたりの内容を文献を交えながら解説していきます!
皆さんはアイシングをしたことはありますか?
現在のスポーツの現場ではケガをした際の対処方法として広く認識されていることかと思います。
情報を入手しやすくなった昨今では、ケガをしてしまった際の対処方法としても知られる
「RICE処置」
という言葉もひろく知られるようになったのではないでしょうか。
RICE処置とは
R(Rest)
I(Ice)
C(Compression)
E(Elevation)
の頭文字をとった応急処置の基本中の基本です。
中でもより一般的に認知されているものと言えば
「アイシング」なのではないでしょうか。
しかし!そのアイシングは現代においては
”本当は逆効果なのではないか?”
などと議論されることも増え
やみくもにアイシングをすることは危険性があるとも言われております。
ただし結論から申し上げますと、
ケガをした時にアイシングをすることは
”正しい”ことが多いがケースによるというのが私の見解です。
ですので、専門の方にぜひ相談してください。
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冷却の生理的な作用について
一般的にアイシングを行うことによってもたらされる効果としてあげられるものと言えば
「痛みの軽減」
「炎症の低下」
「代謝の低下」
「血液循環の一時的な抑制」
「冷却後の血管拡張」
「二次的低酸素症の抑制」
などがあげられます。
アイシングは1970年頃から各国で認知されてきた歴史があります。
しかしながら、2017年頃になるとアイシング否定派が多くなり、
アイシングについて一度考える必要があるというのが現代の流れです。
1978年にRICE処置に関する記事を紹介したMirkinは
「Why Ice Delay Recovery」という記事を2015年に発表しスポーツ業界を驚かせました。
なぜ、このような流れになっているのか…
もともとアイシングはアイシングを行うことにエビデンスの蓄積が少なかったころから積極的に行われ、
後から様々な効果について議論されてきたという背景があります。
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アイシングは筋肉の再生を遅らせる?
1.痛みをマヒさせること
2.組織の活動を低下させること
これら2つの効果が研究治験から得られたことで
アイシングを行うことは積極的に推奨されるようになりました。
しかし、組織の活動が低下するということは
「組織を修復する細胞の活動も低下」することとなります。
Takagiら1)はラットを対象とした研究で
筋肉を損傷させたラットの足に20分間アイシングを行う群とアイシングを行わない2つの群に分け
組織がどちらが早く再生するかを検討をしました。
すると、アイシングをした群のほうが組織の再生が約1日遅れたと報告しています。
組織を修復する細胞の発現は1~2日遅れたとしており、
さらに、組織の修復を阻害すると言われるコラーゲン組織も過剰に出現したそうです。
つまりはアイシングを行うと
”全ての組織の活動を抑制させる”
というわけです。
上述したように
”アイシングは否定的な見解もあるのでやみくもに行うものではない”
というのが私の考えですが、
一概にもアイシングを行わないほうがいいという結論には至らないわけです。
実は、アイシングの選択の仕方によってアイシングだけをとっても様々な処置を行うことは可能です。
ですので、私たちはより効果的な処置を選択することが必要になります!(^^)!
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アイシングの方法の違いによる効果
アイシングを行う際に使用するものとして
「氷」
「冷却スプレー」
これら2つが皆さんがアイシングを行おうとした際に使用する代表的なものではないでしょうか。
実際の使用例ではご自宅の製氷機の氷を袋に入れて使用する…
なんてことが一般的かと思います。
一般的な情報としては
0度以下の極端に低い温度の氷を使用すると
凍傷のリスクが高くなると知られています。
この対策として
氷だけで冷やすと凍傷のリスクが高いので
氷水にして冷やしましょう!
とスポーツの現場で耳にすることも多いかと思います。
実はこれ
医科学的にも効果があると立証されています。
1.製氷機から出したばかりの四角い氷
2.製氷機の氷に常温の水を入れたもの
3.製氷機の氷を細かく砕いたもの
この中で1番冷却効果があったものは
2.製氷機の氷に常温の水を入れたものでした
氷だけよりも水があるほうが熱伝導率が高いのでよく冷えるというわけですね!
さまざまな話をお伝えしてきましたが、
一般的にケガをした際に広く使用されるアイシングにも
良い点と悪い点があることをご理解いただけたでしょうか。
アイシングによって
”痛みを感じにくくなる”
”炎症を抑えることが出来る”
ことはアイシングを行う上でとても重要な効果と言えますが、
”組織を再生させる細胞の働きを低下させる”
ことはとても注意が必要です。
要するに…
ケガをした後炎症が収まったのにアイシングを行うことはやめましょう!
(炎症はケガをしてから24時間~72時間の間で起こる)
本ブログの内容は臨床スポーツ医学 37(11): 1233-1233, 2020.を参照し執筆しております。
- 参考文献
1)Ryo Takagi, Naoto Fujita, Takamitsu Arakawa, Shigeo Kawada, Naokata Ishii, and Akinori Miki.”Influence of icing on muscle regeneration after crush injury to skeletal muscles in rats.”J Appl Physiol.2011 Feb;110(2);382-388
2)Joseph H Dykstra, MA ATC, Holly M Hill, MA LAT ATC, and Robert J Baker, MD PhD ATC.”Comparisons of Cubed Ice, Crushed Ice, and Wetted Ice on Intramuscular and Surface Temperature Changes.”Journal of Athletic Training.2009 Apr;44(2);136-141